注文住宅で念願のマイホームを建てる際、どんな家にしたいでしょうか?
冬暖かく、夏涼しい、快適で省エネを実現する性能の優れた家。キッチンが使いやすく掃除が楽に出来るなど効率よく家事がこなせる機能性のある家。家づくりで実現したいことは、いろんなことがあります。
では、マイホームとして家を手に入れる目的は何でしょう?
性能に優れた家を手に入れる。機能性のある家を手に入れる。どちらも大切です。
しかし、家を手に入れる目的は、そこに住む大切な家族の幸せではないでしょうか。
性能、機能は快適な暮らしを得る手段ではありますが、家を手に入れるための最終目的だとすると、家族のために建てたマイホームは、冷蔵庫や洗濯機の家電品と変わらなくなってしまいます。
これから家を建てようとしている人に届く情報は、性能、機能に関するものが大半で、使うということに重きが置かれています。
それによって、家を建てようとしている人も家づくりの視点は、使うことが前提となっています。
未来のマイホームにどんなことを思い描くでしょうか?
掃除、洗濯をしている自分の姿、キッチンに立ってお料理をする自分の姿、どちらも大切なことではあります。
しかし、それ以上に笑顔で楽しい会話をしている家族の姿の方が幸せ感や夢を感じるのではないでしょうか?
そこで、家族の幸せにとって欠くことのない子供と家づくりとの関係について、大切にするべき点をご紹介します。
子供が成長する上で心が豊かになる環境が出来れば、家を手に入れる価値はより高くなることでしょう。
子供の成長と家
自分の子供の頃を思い出してみて下さい。家はとても大きな存在だったはずです。
それは友達を呼びたい自慢の家だったかもしれません。やさしいお母さんが待っている早く帰りたい家だったかもしれません。
また、学校の友達との関係で気を遣うことが多く、家が心を癒す唯一の場になっていたかもしれません。
家は家族からの温かい愛情を受け取る場であったはずです。
大人へと成長する過程の子供にとって、家は家族とともに精神的な支えとなります。どんな家を手に入れるかを考えた時、子供の成長と家とはとても大切な関係性があると言えます。
- 帰りたくなる家
- 快適過ぎない自分の居場所
- 自慢出来る家
- 家族の温かさが伝わる
帰りたくなる家
子供にとって帰りたい家があることは、とても重要です。その理由は、家が一番安心出来る、心が落ち着く、家族の愛情が届く場であるからです。
帰りたい家があることは、子供の精神的な安定につながります。
大人も子供も心地良く感じるものには近づきますが、ストレスを感じるものは避けたくなります。帰りたい家には、成長して行く子供の心を守ってくれる役割があります。
では、帰りたくなる家はどんな家づくりから生まれるのか?
誰しも人生の中で、もう一度行ってみたい場所があることでしょう。
なぜ、もう一度行ってみたいのか考えると、そこには楽しさ、嬉しさ、気持ち良さ、ワクワク感、喜び、夢と言った心を打たれたものがあったからではないでしょうか。
例えばディズニーランドがもう一度行ってみたい場所だったとしたら、ディズニーランドに到着する前のワクワク感、そしてパーク内に足を踏み入れた瞬間に聴こえる心踊る音楽や素敵な建物を目の前にして、夢や希望を感じる素晴らしい体験をしたからだと思います。
もう一度行ってみたい場所に共通するのは、体験を通して心に届くものがあるということだと思います。
純粋な心を持った子供が帰りたくなる家、それは誰もがもう一度行ってみたい場所と同じです。
そこには、楽しさ、嬉しさ、気持ち良さなどの感じることから得るものがあります。
家づくりでは、使うことを前提にした性能、機能に偏ることなく、見た目、雰囲気などの感じる要素を大切にすることが帰りたくなる家に近づける一歩になるでしょう。
そして、お父さん、お母さんからの温かい愛情が届けば、さらに帰りたくなる家になるはずです。
使うことに合わせて、子供の心に伝わる感じることを含めた家づくりをお勧めします。
快適過ぎない自分の居場所
自分が一人になれる場所があるかないかは、子供にとっても大切なことです。
お父さん、お母さんも、子供の頃の自分の部屋の存在は大きかったはずです。
中学生から高校生にかけては、親から言われることが素直に受け入れられず、自分の部屋に逃げ込んだ経験もあるのではないでしょうか。
親、兄弟も含めて、自分以外の人間が基本的に入り込めない空間が自分の居場所となります。
自分の居場所があることは、心の救いとなります。
誰にも言えないつらいことがあった時は、親にも見られず泣くことが出来ます。
誰とも話がしたくないほど気持が落ち込んだら、気持が和らぐまでベッドの上で休むことが出来ます。
ここで気をつけないといけないのは、子供に自分の居場所を与えることは必要ですが、快適過ぎる場所にならないことです。
ルームエアコンのある広い部屋でテレビにスマートフォンがあるとすると、部屋から離れる理由がなくなってしまいます。親とのふれあいにもマイナスの影響を与えかねません。
子供は心休まる居場所があることで、前を向くきっかけを得られます。
家づくりをする際は、子供に与える部屋を勉強させる場として考えるよりも、心の成長につなげる場として考えた方が、得るものは大きいでしょう。
自慢出来る家
子供から「○○ちゃんのお家、吹き抜けがあって凄いんだよ」、「○○くんのお家って、煙突があってお城みたいなんだ」というような報告を聞いたことがありませんか?
子供は、日々の中で楽しかったこと、嬉しかったこと、驚いたことなど体験を通して印象に残ったことを、その日のうちにお母さんやお父さんに自慢げに報告をします。
そして、翌日には学校に行って、周りの友達に報告をします。すると、家に来たことのない友達が「○○ちゃんのお家、吹き抜けがあって凄いんだって」と言い出します。
高級車に乗っている人を見ると、その情報だけでちょっと違う存在に見えてしまうように、魅力の伝わる家に住んでいると他人からちょっと違う存在に見られるようです。
純粋な心の子供たちにとって、魅力のある家は憧れとなります。そして、その家に住むお友達は、憧れの家に住むお友達となります。
自分から自慢するのではなく、周りのお友達が褒めたたえてくれる家は、本当の自慢の家です。
クラスの成績があまり良くなくても、運動神経が少々鈍くても、お友達から憧れられる自慢の出来る家に住めば、それは自分の自信につながることでしょう。
家族の温かさが伝わる
家を手に入れる目的は、家族の幸せです。家族の幸せは、そのまま子供の成長につながります。
子供はお母さんが大好きです。そしてお父さんも大好きです。いつも子供は、大好きなお母さん、お父さんを喜ばせることに一生懸命です。
お母さん、お父さんも、親を喜ばせてくれる子供の幸せが一番の願いです。
家づくりでは、家族の温かさが自然と感じる空間が創られることがとても重要です。
小さい子供の時は、いつでも子供が親に抱きつけられるように、気難しくなる思春期は、会話がなくとも親の温かい気持ちが子供に伝わるように家づくりを考えることは、明るい家庭を築く始まりとなります。
家づくりでもったいないことは、使いやすさを優先することで、親子間、夫婦間のふれあう空間が犠牲になることです。
それぞれの家族の事情はありますが、家の中は出来るだけ細かく仕切るのではなく、家族の顔がいつでも見られる開放的な空間が望ましいでしょう。
家事を楽に、収納を多くも実現したい家づくりの要望ではありますが、子供の成長にとって家族の温かさが伝わる家づくりを後回しにすることは、避けたいものです。
子供にとってどんな家に住むかは人生に影響します
いかがでしたか?
子供の成長と家の関係性をお伝えしました。ここでもう一度、「注文住宅 子供に必要な家づくり4つのポイント」を紹介します。
- 帰りたくなる家
- 快適過ぎない自分の居場所
- 自慢出来る場所
- 家族の温かさが伝わる
性能、機能を重視する今の家は、家電製品の比較のような情報が多く、人間的部分に焦点をあてた情報がこれか家づくりを始める人に届くことは、残念ながらあまりありません。
注文住宅でこれから家を手に入れるとしたら、子供にとって本当に必要な家づくりとは何かを、もう一度考えてみてください。